【小説風|長編】僕がセブ島の空港(マクタン空港)で搭乗拒否された話

セブパシフィックの飛行機

プロローグ

金曜日の夜8時、フィリピンセブ島の空港(通称マクタン空港)。

僕は一人出発ターミナルで呆然と立ち尽くしていた。まさかこんなことが起こるなんて、誰が予測できただろうか。こんな形で諦めることになるとは思ってもいなかった。

マクタン空港出発前自宅(夕方4時・フライトまであと4時間半)

同日金曜日の夕方4時、僕たち5人は慌ただしく旅行に出かける準備をしていた。シェアハウスでもう5ヶ月近く一緒に生活しているため、和気あいあいと準備を進めていた。

僕たちはフィリピンセブ島で英語、プログラミング、デザイン等を学んでいる。

その忙しい生活の中で、シンガポールへの旅行計画が持ち上がった。3日間、実質2日ほどの観光ということで、ある程度スケジュールを組んだ。もちろんホテルも事前に手配済みだ。節約しながら旅行も楽しみたいということでAirbnb(民泊サービス)を使って現地のコンドミニアムに泊まる予約をしておいた。パスポートも忘れないように確認し準備は万全だ。もっともこのパスポートがこの後の悲劇の元になるとも知らずに。

マクタン空港へ移動・到着(夕方5時30分・フライトまであと3時間)

セブ島のタクシー

空港へは白いタクシーで移動する。セブ市内からは渋滞していなければ、40分程だ。

ただセブ市内から空港までは距離があるため、タクシーを捕まえて交渉に時間が掛かった。ドライバーからすれば空港に行きセブ市内まで戻ってくるガソリン代がかさむため、追加料金請求してくる。数台のタクシーと交渉し、なんとか捕まえることができた。金曜日の夕方ということで、かなり渋滞しているようだ。

疲れからか知らぬ間に車内で眠っていた。気がつくと1時間程して無事空港へ到着。この時夕方の5時30分。フライトまではまだ時間がある。空港のエントランスで料金の200ペソ(約500円)を支払いタクシーを降りた。

セブパシフィックのチェックインカウンターへ

僕らが乗るのはセブパシフィックというLCC(ローコストキャリア)の航空会社だ。

黄色いロゴが目印で、いかにも南国という印象を受ける。チケット情報をスマホでスクリーンショットで保存しておいたので準備万端だ。意気揚々とスマートフォンとパスポートを持って黄色いカウンターへ乗り込んだ。

あなたは飛行機に乗れません(夕方6時・フライトまであと2時間半)

黄色いポロシャツを着た男性の職員が、僕たちの搭乗情報とパスポートを次々と確認していく。そして僕の番だ。そして黄色いポロシャツの職員は、突然英語でこう話した

友達は大丈夫だけど君は飛行機に乗れないね

一瞬場が凍りついた。僕は聞き間違いではないかと耳を疑った。そもそもどうして飛行機に乗れないのか。そんなのおかしいだろうと当然思った。

飛行機に自分だけ乗れない

日本のパスポート

もちろん僕は当然乗れるものだと思っているので聞き返す。「何で僕だけ飛行機に乗れないんだ、それはおかしいだろ」すると職員は「シンガポールに入国するにはパスポートの残存期間が6ヶ月間必要です、つまりあなたのパスポートは6ヶ月間切っているので入国は不可能です。」僕はそれを聞いて愕然とした。海外からの渡航ということでパスポートの有効期限について何も考えてなかったのだ。職員が言うには飛行機に乗るにはまず
①首都マニラの日本大使館(セブには日本大使館が無い)でパスポートを更新
②もう一度航空券を取るしかないというのだ。
フライトは8時25分、間に合うわけがない。この時夕方6時を回ったところだった。

航空会社と交渉の幕開け(夕方6時15分・フライトまであと2時間10分)

内心ふざけるなと思いながらも、何とか乗れないか考えていた。友人も待たせているしフライトの時間も迫ってきている。何か打開策はないかと『シンガポール パスポート 有効期限』などで検索してみると幾つか希望のある記事が見つかった。僕と同じような状況に陥った人がやっぱりいたのだ。

シンガポール、パスポート残存期限問題について – cosplaycafe

oscillograph.hateblo.jp

もしかしたら、いけるかもしれない。諦めがつくわけもいかないので航空会社と交渉することを決意した。

交渉開始(夕方6時25分・フライトまであと2時間)

チェックインカウンターでは確認できないと言われ、「チケットセンターへ行って確認してくれ」と言われたのでチケットセンターへ向かいことにした。チケットセンターは搭乗口の外側にあるので、ぐるっと回って向かう。少し歩いて行くと、黄色い看板に大きくCebuPacificと書かれた所をみつけた。警備員を横目にみながらチケットセンターへ入って行く。出てきたのは、さっきとは変わって物腰柔らかそうなフィリピン人の男性だ。20代後半くらいだろうか、僕の拙い英語にも耳を傾けてくれる。しかし、返答はノー。やはり僕を飛行機に乗せた時点で、シンガポール政府から罰金などのペナルティーが科されるからだ。30分以上話しただろうか、もちろん全て英語でだ。答えは変わらずノーだ。

セブパシフィックのチケットオフィスの男性

しかし、諦めの悪い僕は次の策に出ることにした。「言いたいことはわかった。じゃあ、あなたのボス(上司)と話をさせてくれないか。」男性の職員も渋々ながら了承した。僕はスーパーバイザーがいるチェックインカウンターへまた戻ることにした。

スーパバイザーを呼び出す(夜7時15分・フライトまであと約1時間)

さすがに自分も疲れてきた。なんせ2時間以上フィリピン人と英語で言い争っているのだ。でも諦めるわけにはいかない。チェックインカウンターへ戻ると、カウンターの女性に僕はこう言った「スーパバイザーはいますか?」「私がスーパーバイザーよ」まさかの話し掛けた彼女がスーパーバイザーだった。かなり勝気な女性のオーラーが出ていたが、そんなことは僕には関係なかった。簡潔に説明をしたが、拙い英語での説明。やはり返答はノーだ。英語で意見が食い違い、相手もかなりイライラしているのを感じた。ここでも話が平行線を辿るばかりだったので、また上司を呼ぶ作戦に出た。これが裏目にでることになるのだが。

マネージャー登場。そして敗北。(夜7時55分・フライトまであと30分)

キャリアウーマン

スーパーバイザーの彼女は上司を呼ぶのをかなり渋ったが、諦めの悪い日本人についに折れマネージャーを呼んでくれた。そして、今この空港にいる中で一番偉いであろうマネージャーの女性がカウンターの裏から出てきた。

ここらから完全にオーラーが違ったのは確かだ。先ほどのスーパーバイザー以上の勝気な女性。30代半ばくらいだろうか。彼女は「あなたを飛行機に乗せただけでシンガポール政府から罰金が課せられます」とかなり上から目線で言葉を浴びせてくる。だが諦めの悪い僕ももちろん反論する「じゃあその罰金を僕が払う」「そういう問題じゃないの!あなたを乗せた時点でここにいる職員はあなたのせいで全員解雇されるのよ。」「じゃあシンガポール政府か移民局に電話させてくれ!俺が話をつける!」「電話させられるわけないでしょうが!!!」「乗客を搭乗拒否する権利は航空会社はないだろう!!!」こんな会話を延々と続けていた。

そして敗北の瞬間が訪れる。

「これ以上続けるなら、ポリスまたはセキュリティー(警備員)を読んでつまみ出すわよ!!!」

警備員が近づいてきたのでさすがに我に戻った。敗北の瞬間だった。

このとき夜8時を回っていた。一人で空港を後にしながら。

セブのマクタン空港

回想と反省点

まず大前提として、パスポートの有効期限と残存期間を確認していなかった僕が悪いです。ただ、航空会社もそのことについて言及していなかったのも事実です。シンガポールに入国するには「パスポートの残存期間が最低6ヶ月間必要」だと初めて空港で知りました。完全な僕の確認不足です。

敗北の原因3つ

  • ネットで検索した情報はそもそも日本(羽田・成田)からの出国だった

僕が見た記事によると

もちろん渡航は難しいが、書類(シンガポールで入国拒否されても航空会社は責任を持たない)に同意すれば飛行機にとりあえずは乗せてもらえているようです。今回のケースは稀ですが、海外(セブ島)から出国のケースだったので少し状況が違いました。

  • 完全アウェー+英語力

フィリピンというアウェーの状況かつ、うまく英語で細かいニュアンスが伝えきれなかったり違った解釈をされたのでやはり自分の英語力のなさを身を持って実感しました。英語で交渉というのは難しいですねぇ(笑)。海外では日本のように融通が聞かないことが多いです。まじで。そもそも聞く耳を持ってくれません。

  • 航空会社がLCC

LCC(ローコストキャリア)の航空会社は安くて便利です。が、それが今回はそれが裏目に出ました。当たり前ですが、改善してきているとはいえ一般の航空会社と比べるとサービスの質は落ちます。特にトラブルには弱い(飛行機の遅れや融通がきかない)ので海外に行くときには航空会社は考えるべきでしょう。基本的にLCCは料金は戻ってきません。しかし安いのも魅力的なんですよねー。

まとめ

最後まで読んで頂きありがとうございました。かなり長くなってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。ここは違うだろ!とか、なるほど!思った方は是非コメントやいいね!お願いします。

お待ちしております。ではHave a nice day!

セブパシフィックの飛行機

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